Shopify

2023.03.27

ShopifyPlusとは?料金や違い、できることを紹介

みなさんはShopify Plusをご存じでしょうか。Shopify Plusとは大企業など、取引量が多い事業者向けに作られたエンタープライズプランです。

Shopify Plusを導入したらどんなことができるのか、他のプランと何が違うのかを知りたい方は多いと思います。そこで、本記事ではShopify Plusでできることや、導入する際の注意点等について解説していきます。

目次

Shopify Plusとは?

参考:https://www.shopify.com/jp/plus/pricing

Shopify Plusは、Shopify通常プランである、ベーシック、スタンダード、プレミアムより数段上の機能や特典がついた大規模な事業者向けのプランです。

月額料金は$2,000からとなっており、他のプランと比較してもかなり高額ですが、複数ショップの管理が一括で行えたり、卸売り用のECが構築できるなど、Shopify Plusにしかない機能が多く搭載されています。なお、以下がプラン別の料金表です。

Shopify Plusベーシックプランスタンダードプランプレミアムプラン
月額料金(USD)$2,000~$25$69$299
月額料金(日本円換算)約260,000円約3,300円約9,000円約39,000円

*1ドル130円換算(2023年3月時点)

料金体系の詳細

Shopify Plusの月額料金は月額2,000ドル〜の変動料金制です。EC事業や売上規模次第で料金は変動します。また月商が80万ドルを超える場合、固定金額ではなく売上の0.25%が月額料金となります。

月額$2,000〜と、ほかのプランより数倍も料金が違いますが、Shopify Plusには以下の要素が料金に含まれます。

  • サーバー代
  • Shopify Plus専用アプリケーションの利用料金
  • ローンチ・システム移行のサポートサービス
  • 24時間体制のコンシェルジュサービス

例えばサーバー費用でランニングコストが膨らんでいる場合、利用量次第ではShopify Plusへ切り替えたほうがコストを抑えられる可能性もあります。

Shopify Plusでできる10のこと

上述したようにShopify Plusでは、通常のプランに比べて多くの機能、サービスが搭載されています。Shopify Plusで実現できることは主に以下の10個です。

①10チャネルまで開設可能
②詳細な設定の予約公開
③決済画面のデザイン・機能のカスタマイズ
④煩雑な作業の自動化
⑤複雑な複合条件でのプロモーション
⑥老朽化システムからの移行
⑦セキュリティの強化とコストダウン
⑧SSOの実装
⑨開発・移行期間の大幅な短縮
⑩サイトスピードの高速化

ここからは、Shopify Plusでできることについて詳細の内容を紹介していきます。

①10チャネルまで開設可能

Shopify Plusでは、10チャネルまでストアを開設することができます。

複数のチャネルを開設できることにより、例えば、越境に強いECを構築したり、国内のユーザー向けにECを構築したりと、目的によってECを使い分けることができます。

その為、性別、年齢、国籍問わず、より幅広いユーザーに自社製品を届けることが可能になります。複数のストアを運営する場合は、「組織の管理画面」というボタンから一括で管理が可能です。

②詳細な設定の予約公開

商品の予約公開は、通常プランでも、公開する日時を設定することで実現可能です。

しかし、新しい商品の公開に伴い行う事が多く、バナーの差し替えや商品価格の変更など、詳細な設定の予約公開は通常プランでは行えません。

Shopify Plusには、「Launchpad(ローンチパッド)」という専用アプリが用意されており、上述したバナーの差し替えや商品価格の変更を予約して行うことができます。具体的に、「Launchpad(ローンチパッド)」を使用するシーンとして以下の様なシーンが想定されます。

・イベント開始、終了時に伴いサイトデザインを変更する

・イベント開始前に、設定した期間のECをロックし、ユーザーの期待を演出する

・セール開始、終了時に商品の価格を変更する

・イベント開始時に在庫数を変更する

③決済画面のデザイン・機能のカスタマイズ

決済画面とは、カートの次のページから注文完了ページまでのことを指します。

決済画面は、ユーザーが商品を購入する際に必ず通るページなので、このページのカスタマイズを行う事は、ユーザーの購買意欲増進や、より良い購買体験を提供することに繋がります。

Shopify Plusを契約することで、「checkout.liquid(チェックアウトリキッド)」のリキッドファイルを編集することができ、決済画面のデザインの変更や機能追加などのカスタマイズが可能になります。具体的に、以下のようなことができるようになります。

・独自のレイアウトや画像追加による他サイトとの差別化

・配送情報入力画面に配送日時指定や定期購入オプションの追加

・配送先の国や地域により、表示内容や処理を変更

④煩雑な作業の自動化

Shopify Plusには、「Shopify Flow」という専用アプリがあり、これまで手動で行っていた煩雑な作業を自動化できます。

作業の自動化は「トリガー」「条件」「アクション」を選択するだけで設定することができ、複雑なコードの入力などは不要です。具体的に自動化できる作業は以下のようなものがあります。

・在庫が少なくなった時に通知を送信する

・あらかじめ設定した商品が購入された際に、メールまたはSlackで通知する

・リスクの高い注文にフラグを付ける、もしくはキャンセルする

・ロイヤルカスタマーにタグをつける

⑤複雑な複合条件でのプロモーション

Shopify Plusには、「Shopify Script(ショピファイスクリプト)」という機能があります。通常のプランではできない、複合条件でのディスカウント設定やプロモーションが実現可能になります。具体的には、以下のような使用例があります。

・〇個購入で〇%オフ

・〇円以上の購入で〇%オフ

・1個購入したら1個無料

・初回注文の場合〇円オフ、〇%オフ

しかし、「Shopify Script(ショピファイスクリプト)」の注意点として、「Launchpad(ローンチパッド)」や「Shopify Flow」などの専用アプリではないため、上記のような複合条件でのプロモーションを行う場合、スクリプトを記述する必要があります。

⑥老朽化システムからの移行

Shopify Plusを導入すると、独自のデータ移行ツールとShopifyの24時間体制のコンシェルジュサービスが利用できます。古いシステムからの移行でもサポートチームが移行を支援してくれるので、高度な技術を持ったエンジニアがいなくても安心です。

⑦セキュリティの強化とコストダウン

Shopify Plusにはほかのプランよりも厳重なセキュリティ機能が備わっています。代表的なものだと以下の機能です。
・決済データの暗号化
・3Dセキュアチェックアウト
・2段階認証
・SSL
Shopify Plusを導入すれば、ECサイトの保守にかけるコストが大幅に削減できます。既存の保守コストに予算が割かれている企業にはおすすめです。

⑧SSOの実装

SSO(シングルサインオン)とは、1つのアカウント情報から複数のサービスに追加承認なしでログインできる機能です。顧客情報の統合やユーザビリティの向上に役立ちます。
Shopify Plusでは「Multipass API」と呼ばれるSSOの導入に必要なAPIが使用できるため、導入すれば既存のアカウントIDとパスワードを別のECサイトでも活用できるようになります。
ただし、SSOの実装には顧客情報を認証、管理する基盤を別途用意しなければなりません。

⑨開発・移行期間の大幅な短縮

ECサイトの開発・移行には通常12〜18ヶ月もの期間を必要としますが、Shopify Plusならおよそ3〜4ヶ月でサイトを立ち上げられます。

従来のECプットフォームと違い、ShopifyPlusにはサイトの立ち上げを支援する専任のローンチエンジニアが付きます。また、システムの移行やツールやガイダンス機能など、サポート体制も充実しているため、スムーズな立ち上げが可能なのです。

⑩サイトスピードの高速化

Shopify Plusは独自のサーバーとプラットフォームの最適化により、他のプラットフォームよりもサイトスピードが高速です。表示速度の高速化と反応速度の短縮でユーザーのストレスを減少し、購買率のアップに貢献します。

Shopify Plus導入時の注意点

上記では、Shopify Plusのメリットを多く紹介してきましたが、ここからは導入を検討する際の注意点についても解説していきます。メリット、デメリットそれぞれを合わせて知ることで、自社で導入するべきかどうか検討してみてください。

ROIが見合うかどうか

やはり一番大きな注意点としては、月額$ 2,000の費用がかかる以上、期待するROIを得られるかという点です。

Shopify Plusには、多くの便利な機能が搭載されており、事業の成長を後押ししてくれることは間違いはありません。しかし、事前にどのくらいの効果が得られるのかを計算しないと、高額な固定費がECの運営をひっ迫してしまうケースも考えられます。

導入する際は、改めて「高額なコストを払うだけのプラスの事業へのインパクトが見込めるかどうか」を慎重に考え、導入を検討してください。なお、EC担当者のみでの判断が難しい場合は、Shopify Plusを専門とする代理店などへの相談をおすすめいたします。

運用におけるリソースを確保できるか

Shopify Plusには、多くの機能が搭載されていますが、それらを全て使いこなすには、Shopifyに詳しい人材や、Shopifyの運用にリソースを割くことのできる人材を用意する必要があります。よくあるケースとして、Shopifyの導入検討までは時間をかけているのに対し、導入後は結局うまく使いこなせず、解約してしまうケースです。社内のリソース確保を検討する、もしくはShopifyを専門とする代理店に相談するなど、リソースを確保する方法は様々です。自社に合った方法を検討してみてください。

まとめ

Shopify Plusは、自由度の高いカスタマイズ機能やプロモーションの最適化に優れたコマースプラットフォームです。月額料金が2000ドル〜と高額ですが、ほかのプランと違い専用のサポートサービスやサーバー代も料金に含まれています。規模の大きなEC事業の立ち上げや成長したECサイトのリニューアルなど、スタートアップやランニングコストを抑えるには打って付けです。

Shopify Plusには、通常プランと比べて豊富な機能が搭載されています。それらを利用することで、「詳細な設定の予約公開」、「決済画面のデザイン・機能のカスタマイズ」、「煩雑な作業の自動化」、「複合条件でのプロモーション」などが可能です。

一方で、「ROIが見合うかどうか」、「運用におけるリソースを確保できるか」をしっかり見極める必要もあります。そのため導入を検討する際には、Shopify Plusを導入することで自社の利益率をより高めることができるか、多くの機能を使いこなせるだけのリソースがあるか、など慎重に検討を進めてください。

自社に最適なプランを検討する場合は、専門家への相談もおすすめです。and.dでは、Shopify PlusのEC構築支援も行なっておりますので、検討中の担当者様はぜひお気軽にご相談ください。

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