Shopifyストアを運営していると、以下のようなお悩みが出てくるはずです。
「ストアに新規顧客を効率的に獲得したい」
「売上が伸び悩んでいるから、広告を出稿して売上を伸ばしたい」
「広告運用に踏み出したいけど、Shopifyの広告は何から始めればいいかわからない」
結論から言えば、Shopifyに広告を適切に出稿・運用することにより、売上を加速させることは可能です。しかし、広告を出すだけでなく、その効果を正確に測定し、データに基づいて継続的に内容を改善していく必要性もあり、ある程度の専門知識が求められます。
そこで、本記事では初心者の方に向けて、Shopifyで広告を出稿するメリットや具体的な手順、運用のポイントについて詳しく解説します。広告を自社に合った形で運用できるようにするために、最後までご覧ください。
目次
Shopifyで広告を出稿するメリット・効果
Shopifyで広告を出稿することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。具体的なメリットは3つ挙げられます。以下で詳しく解説します。
売上向上に直結しやすい
広告は費用をかけて検索上位に表示させたり、また優先的にSNSなどに表示させたりできるため、短期間で集客することが可能です。広告を活用することにより、そのまま直接売上アップにつながります。特にGoogleリスティング広告やSNS広告を活用すれば、見込み客に対して的確にアプローチできるでしょう。
例えば、無添加スキンケア商品を販売しているストアが「無添加 スキンケア」というキーワードでGoogle広告を出稿すると、検索意図が明確なユーザーに直接訴求することができます。
こうした興味関心の高い層に広告を届けることで、コンバージョン率を高められます。
新規顧客獲得とリピーター対策が両立できる
Web広告は新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客へのリターゲティングも行えます。
例えば、Facebook広告を利用して過去にストアを訪問したユーザーに「以前カートに入れた商品が割引中」という広告を配信することで、購入を促すことができます。これらはWeb広告の機能によりAIが自動でデータを収集して学習するため、ストア側で特別な設定をする必要はありません。
このように広告を適切に活用することで、新規と既存両方の顧客層へのアプローチが可能です。
低コストで始められる
Shopifyに限らず、Google広告やSNS広告など、Web広告の運用は、少額の予算からでも始められます。そのため、リスクを最小限に抑えて効果を実感できるでしょう。
例えば、月額5,000円からスタートするとします。最初に複数の媒体で出稿していても、効果の高い広告に予算を徐々に集中させることにより、無駄を抑えつつ成果を上げることができます。
クリック課金制(CPC)であれば、実際にクリックされた分だけ支払う仕組みになっているため、費用対効果を把握しやすいのも特徴です。
Shopifyで利用できる広告の種類
Shopifyではさまざまな広告プラットフォームを活用できます。それぞれの特徴を理解し、ストアに合った選択をしましょう。
Google:リスティング広告
Googleリスティング広告は、検索エンジンでユーザーが入力したキーワードに応じて広告が表示される仕組みです。この広告は、すでに特定の商品やサービスを探している「購買意欲の高いユーザー」に直接アプローチできるのが大きな特徴です。
例えば、ユーザーが「プロテイン パウダー おすすめ」というキーワードで検索したとしましょう。その時に、広告として自社のプロテイン商品が検索結果の上部に表示されることで、購入につながる可能性が大幅にアップします。特に、健康食品やファッションアイテムなど、具体的なニーズがある商品に適しています。
広告費はクリックごとに発生(PPC広告)するためコストパフォーマンスには優れています。ただし、キーワードを適切に選定することが重要であるため、ユーザーの需要はしっかり理解しておきましょう。
Google:ディスプレイ広告
Googleディスプレイ広告は、視覚的な要素を活用して、商品やブランドを広く認知させるのに役立つ広告形式です。バナーや画像、動画などを用いることで、ユーザーの視覚に訴えかけ、興味を引きやすくします。
例えば、新商品のローンチをした場合、このディスプレイ広告を活用して商品画像やキャッチフレーズを表示させることで、ターゲット層に商品を印象付けられます。ブランド認知を高めたい、またはまだ購買意欲が高くないユーザーにアプローチしたい場合に効果的です。
SNS広告
SNS広告は、FacebookやInstagramなどのプラットフォーム(SNS)で配信される広告です。これらの広告の魅力は、ユーザーの興味関心や行動データに基づいてターゲティングできる点です。初心者の方でも、比較的簡単に運用を開始できます。
Facebook広告
Facebook広告は、Meta社の提供する他の広告(Instagram広告)よりも、細かいターゲティングができることが特徴です。例えば「過去30日以内に自社サイトを訪問したユーザー」や「30〜40代の女性で美容に興味がある層」といった条件を設定し、ターゲットを限りなく絞むことにより、コンバージョンの確率をアップさせます。
また、リマーケティング(過去にサイトに来た人に再び広告を表示)にも適しており、一度サイトを訪問したものの購入に至らなかったユーザーに再度商品を提案できるのも魅力でしょう。新商品の割引キャンペーンを実施する際、すでに自社を知っているユーザーを対象に広告を配信すれば、高いコンバージョン(購入)を期待できます。
Instagram広告
Instagram広告は、特に若い世代に対して視覚的に訴えかけたい場合に効果的です。おしゃれな商品写真や動画を使って、商品やブランドの魅力をダイレクトに伝えることができます。複数の画像を表示できるカルーセル形式の広告を使えば、商品の特徴を詳細に説明できます。
例えば、アパレル商品を扱っている場合、季節ごとのコーディネート提案や新作ラインナップをカルーセル広告で見せることで、ユーザーの興味を引きつけることが可能です。
Metaの広告の使い分け方
上記で説明したMeta広告(Facebook広告・Instagram広告のこと)を使い分けるには、以下のポイントを重視しましょう。
- Facebook広告は、情報量が多い商品やサービスの訴求に最適
- Instagram広告は、商品のビジュアル的な魅力を訴求したい場合に効果的
Facebook広告は情報重視、Instagram広告はビジュアル重視で訴求するなど、目的に応じた使い分けが効果的です。両者を目的に応じて使い分けることで、より効果的な広告戦略を構築してみてください。
自社のShopifyストアに合った広告の選び方
Shopifyで広告を運用する際には、広告を出すだけでなく、自社のストアや商品に適した広告を選び、計画的に活用することが成功への鍵となります。ここでは、どのように広告を選べば良いのか、具体例を交えながら解説します。
検索流入など幅広い層にアプローチするなら「Google広告」
Google広告は、検索エンジンを通じて広範囲のユーザー層にリーチできる広告です。特に、特定の商品やサービスを探しているユーザーにアプローチしたい場合に効果的です。
例えば、自然食品の定期購入サービスを提供している場合、「自然食品 定期購入」や「オーガニック食品 サブスク」といったキーワードで検索するユーザーに広告を表示することで、高い購買意欲を持った新規顧客を効率的に獲得できます。
- リスティング広告:購買意欲が高い層を狙いたい場合。検索キーワードに基づいて広告を表示する
- ディスプレイ広告:ブランド認知を広げたい場合。商品の魅力を画像や動画で伝えられる
Google広告は、商品やサービスに具体的なニーズを持つユーザーが対象となるため、費用対効果が高いのが特徴です。
視覚的にブランドイメージを重視する企業なら「SNS広告」
Instagram広告やFacebook広告は、視覚的なコンテンツを活用して、ブランドの世界観や商品イメージを直接的に伝えるのに適しています。特にファッションやライフスタイル、デザイン性の高い商品を扱うストアに向いています。
例えば、アパレルブランドを運営している場合、モデルが着用している商品の写真や動画を広告に利用することで、ターゲット層に商品の魅力を直感的に訴求できます。
また、カルーセル形式を使えば、1つの広告で複数の商品やコーディネート例を見せることができ、ユーザーの興味を引きつける効果が高まります。
- Instagram広告:写真や動画をメインに、ブランドの雰囲気や商品の魅力を視覚的に伝えたいときに最適
- Facebook広告:テキスト情報や詳細なターゲティングを活用し、商品の特徴を伝えたいときに有効
- リール広告(Instagram):短い動画で商品の使用シーンやストーリーを伝えることで、ユーザーの関心を引きやすい
SNS広告の特徴をまとめると上記のようになります。ぜひ参考にしてみてください。
【Google広告】Shopifyで出稿する手順
ShopifyでGoogle広告を出稿するには、運用を始める前に、ShopifyとGoogleサービスを連携させる必要があります。
ShopifyとGoogleアナリティクス4を連携させる
まずは、ShopifyとGoogleアナリティクス4を連携させましょう。Shopifyにログインし、Shopify管理画面で、サイドバーにある「オンラインストア」から「各種設定」をクリックしてください。
「Google&YouTube」をインストールしたら、
「Googleアナリティクス」の項目に、Google AnalyticsのトラッキングID(UA-●●●●と記載されているもの)を入力しましょう。
ここまで終わったら、Google アナリティクスと接続する段階は終了です。。
Googleアナリティクス4とGoogle広告を連携させる
Googleアナリティクスの広告管理画面上部にあるメニューの「ツールと設定」から、「リンクアカウント」を選び、「Googleアナリティクス詳細」をクリックしてください。
連携したいプロパティの「リンク」を選択し、連携したい「ビュー」を選択したら、保存を選択します。
終了したら、Shopifyの管理画面を開いたら「オンラインストア」から「各種設定」を選び、Google Analyticsのセクションを埋めるようにしてください。
【Facebook広告】Shopifyで出稿する手順
次に、Facebook広告をShopifyで出稿する手順を解説します。
Shopifyのアプリストアから「Facebook & Instagram」をインストールする
まずは、Shopifyのアプリストアから「Facebook & Instagram」をインストールしてください。
Facebookアカウントを連携する
Facebook & Instagramをインストールできたら、利用が始まります。その後に「アカウントをリンク」をクリックして、自社ストアのFacebookアカウントと連携をしてください。
連携するだけでは、広告はまだ配信されません。Facebook広告を配信するには、まずキャンペーンの作成が必要です。ビジネスマネージャの「広告マネージャ」にアクセスし、「作成」ボタンを選択します。
次に、広告の目的を設定します(例:「認知度の向上」「検討段階の促進」「コンバージョン獲得」)。その後、ターゲット設定や予算、広告の表示場所を決めることで、広告の配信がスタートできます。ただし、広告を配信開始するには審査が必要になるため、審査完了の通知が来るまで待っておきましょう。
【Instagram広告】Shopifyで出稿する手順
以下では、ShopifyでInstagram広告を出稿するための手順を解説します。
Instagramをプロアカウントにする
まずは、Instagramアカウントを、通常アカウントからプロアカウントに変更しましょう。
詳細を設定する
プロアカウントを作成できたら、「Facebook&Instagram」を開き、Facebook広告の際と同様に設定を進めます。リンクしたいInstagramアカウントを入力し、設定を完了させましょう。
Shopifyの広告を運用する際の必須ポイント
Shopifyで広告を運用する際には、ただ広告を出すだけではなく、事前にしっかりと計画を立てることが大切です。広告運用を成功させるにはいくつかの重要なポイントがあります。以下では、それぞれのポイントを詳しく解説します。
広告を運用する目的・目標をあらかじめ設定する
広告を出す前に、まず「何のために広告を運用するのか」を明確にしましょう。広告の目的がはっきりしないままでは、効果的な運用ができません。
例えば、以下のような目的を設定すると良いでしょう。
- 売上アップ:特定の商品を多く売りたい場合
- 新規顧客の獲得:新しいお客様にブランドや商品を知ってもらいたい場合
- リピーター促進:過去に購入したお客様に再度購入してもらいたい場合
さらに、目的に合わせて適切な広告形式を選ぶことも重要です。
例えば、新商品を発売したばかりの場合は、「商品認知の拡大」を目指してGoogleディスプレイ広告を活用すると効果的です。このように、目標に基づいて広告の戦略を組み立てることが成功への第一歩です。
ターゲティングを正確に行う
広告がどんなに良くても、適切なターゲットに届けられなければ意味がありません。ターゲティングを正確に行うことで、広告の効果を最大化できます。具体的には、顧客データや市場調査を活用して、ターゲット層を明確に設定することが重要です。
条件を絞り込むことで、広告を見た人が「自分に関係のある商品だ」と感じやすくなり、クリック率や購入率が上がります。
Shopifyでは、Facebook広告やGoogle広告などのプラットフォームを使って細かいターゲティングが可能です。これらのツールをしっかり活用しましょう。
広告の効果測定に使用する広告用語を理解しておく
広告運用では、効果測定が非常に重要です。どの広告が成果を上げているのか、またはどこを改善すれば良いのかを把握するために、以下のような基本的な指標を理解しておきましょう。
- CPC(クリック単価):広告がクリックされるごとに発生する費用。
例:クリック1回につき50円かかる。 - CTR(クリック率):広告が表示された回数に対して、どのくらいの割合でクリックされたかを示す数値。
例:1,000回表示されて、50回クリックされた場合、CTRは5%。 - ROAS(広告費用対効果):広告費に対してどれだけの売上を生み出したかを示す指標。
例:1,000円の広告費で5,000円の売上があればROASは500%。
もしCTRが低い場合、広告のテキストや画像を改善することで、ユーザーの興味を引きつけられる可能性があります。魅力的なキャッチコピーや視覚的にインパクトのある画像を使用することが効果的です。
広告運用は定期的にレビューを行う
広告を出した後も、そのまま放置せずに定期的にデータを分析し、効果を確認しましょう。運用状況をチェックすることで、広告費を無駄にすることなく、より効率的な広告運用が可能になります。
例えば、効果があまり出ていない広告は停止し、広告費を無駄にしないようにしたり、リマーケティング広告(過去にサイトを訪れた人に再度広告を表示する)の成果が良ければ、その広告の予算を増やすことで、さらなる売上増加が期待できます。
まとめ
Shopifyでの広告運用を成功させるには、目的に合った広告の選択、正確なターゲティング、そして効果測定と改善が重要です。まず、広告の目的を「新規顧客獲得」「商品認知の向上」「リピーター促進」など明確に設定し、それに応じてGoogle広告やSNS広告を選ぶことが成果につながります。
また、ターゲット層を詳細に設定することで、広告を届けたい顧客に効果的にアプローチが可能です。さらに、広告配信後はCPCやCTRなどの指標を分析し、効果が高い広告には予算を集中させ、効果が薄いものは停止や改善を行う柔軟な対応が求められます。こうしたプロセスを繰り返すことで、より効果的な広告運用が実現します。
本記事で紹介した手順やポイントを参考に、自社のShopifyストアに最適な広告戦略を実施してみてください。