
日々、and.dのShopifyアプリをご利用いただきありがとうございます。弊社ではお客様の業務が少しでもスムーズになるよう、定期的な機能改善と仕様調整を行っています。
このたび、アップデート内容および最新の更新情報をより多くのお客様にご周知いただくことを目的として、2025年上半期に実施された主なアップデートを一つにまとめ、ご案内することにいたしました。
本記事では、半期ごとに弊社and.dが実施したShopifyアプリの主なアップデートをまとめています。アップデート内容を正しく把握し活用いただくことで、アプリの導入効果を最大化し、日々のオペレーションやカスタマー対応における無駄なストレスの軽減にお役立てください。この記事が、貴社のストア運営と、弊社アプリの一助となれば幸いです。
アップデートの一覧
日付 | 対象アプリ名 | 概要 |
2025/1/16 | 配送カスタム.amp | 複数条件での配送料金計算「アドバンスプラン」β版公開 |
2025/2/14 | 送料無料バー&アップセル.amp | カートにノベルティ自動追加機能 |
2025/2/26 | 配送日時指定.amp | 配送日時/置き配・モジュール設定の進化 |
2025/3/10 | 配送カスタム.amp | 複合条件で重量と個数を「商品ごと」に設定 |
2025/4/4 | 配送日時指定.amp | モジュール内のラベル名5項目が編集可能に |
2025/5/21-22 | 配送日時指定.amp | 追跡番号の一括アップロード機能の処理改善 |
2025/06/16 | 配送日時指定.amp | 任意フォーマットでの追跡番号をアップロード&日本郵便の追跡番号を通知可能に |
アップデート詳細と活用シーン
1. 【配送カスタム.amp】複数条件での配送料金計算「アドバンスプラン」β版公開(2025年1月16日)
概要
Shopifyアプリ「配送カスタム.amp」に、注文金額×総重量×タグや都道府県×個数×タグなど、複数の条件を組み合わせた配送料金設定ができる新プラン「アドバンスプラン」のβ版がリリースされました。
ノーマルプラン(月額12ドル)では実現できなかった精度の高い送料設定が行えるようになり、ストアの細かい要件に応じた料金設定が可能です。
想定される活用シーン
■複数配送拠点による地域別送料
関東・関西の拠点に応じた送料設定が可能になりました。例えば「関東+重量10kg以下は800円、それ以上は1200円」など、詳細に決められます。
■商材ごとの送料調整
特定タグ(例:「冷凍食品」に該当)と重量を組み合わせて送料や保冷料を別途設定できます。自社ストアの商品の属性に合わせて選択しましょう。
■プロモーション対応
「雑貨+5000円以上購入で送料無料」など、複雑な複合条件を実現できます。
2. 【レコメンド.amp】カートにノベルティ自動追加機能(2025年2月14日)
概要
Shopifyアプリ「送料無料バー&アップセル.amp」に条件クリア時にノベルティ商品をカートに自動追加できる新機能が追加されました。管理画面にて「ノベルティ配布→商品選択→配布条件設定」と設定してください。
想定される活用シーン
たとえばバレンタインや周年記念セールなど、期間限定の販促キャンペーンにおいて、「3,000円以上の購入でミニギフトをプレゼント」といった特典を自動でカートに追加できる機能は、非常に有効です。これにより、ユーザーは“もう少しで特典がもらえる”という心理的な動機付けを得られ、ついで買いやまとめ買いを促すことができます。
■新商品プロモーション時の特典提供
新商品の発売直後は、商品の魅力が十分に伝わっていないこともあり、購入に慎重になるユーザーも少なくありません。こうしたタイミングで「新商品を購入した方には、そのシリーズの試供品を自動追加」といった特典を用意することで、商品そのものの体験価値を引き上げることが可能です。
例えば、スキンケアブランドで新たに保湿クリームをリリースした際、同シリーズの美容液ミニサイズを自動でカートに追加すれば、ユーザーは一度の購入でライン使いの体験ができ、次回購入への関心も高まります。
■リピーター向けプレゼント企画
過去に一定額以上の購入履歴がある、もしくは複数回の注文をしてくれているリピーターに対して、特別なノベルティを自動で贈る仕組みを組み込むことで、ブランドへの愛着の強化につながります。
過去3回以上の購入履歴があるユーザーが再訪した際に、限定デザインのグッズや非売品アイテムを自動でカートに追加することで、「自分は大切にされている」という特別感が生まれます。
3. 【配送日時指定.amp】配送日時モジュールのタグ別制御(2025年2月26日公開)
概要
Shopifyアプリ「配送日時指定.amp」にて、商品タグに応じて「日付のみ指定可」「時間のみ指定可」「配送日時指定不可」を選べる制御機能が実装されました。同じカートでも、商品特性に応じた日時選択インターフェースの出し分けが可能です。
想定される活用シーン
■商材ごとに適した日時制限の設定
扱う商材の特性によって、配送に求められるオプションや条件は大きく異なります。たとえば冷蔵・冷凍商品を扱う場合には、確実に商品を受け取ってもらう必要があるため、時間帯指定が必須となるケースがほとんどです。
そこで、こうした細かな設定を商品ごとにタグで制御できることで、ストア側はより柔軟で実用的な配送オプションを提供でき、ユーザー体験を最適化することが可能になります。
■過誤防止とUX向上
すべてのユーザーに一律の配送日時指定項目を表示していると、本来選択する必要のない項目を誤って選んでしまったり、「なぜこの商品で時間指定ができるのか」といった問い合わせが生じたりすることがあります。
こうした状況はCS対応の負担を増やすだけでなく、購入の途中で不安や迷いを生んでしまうことにもつながります。商品ごとに必要なオプションだけを表示する仕組みを取り入れることで、UIがシンプルになり、顧客は迷わずに購入手続きを進めることができます。
■カテゴリに応じた配送オプション制御
業種ごとの特性に合わせて、日時指定や置き配、備考欄の表示可否などを個別に制御できることで、配送時のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな受け渡しを実現することができます。また、物流業者や配送ルールに応じた設定を併用することで、運用効率を保ちつつ高品質な顧客体験の維持にもつながるでしょう。
食品、花、アパレル、家具など、それぞれの業種が持つ配送事情は大きく異なります。食品は鮮度の保持のために「即日発送+時間指定」が望ましい場合が多く、花は「贈り物」としての性質から「指定日配達」のニーズが高まります。
4.【配送カスタム.amp】複合条件で重量と個数を「商品ごと」に設定(2025年3月10日公開)
概要
「配送カスタム.amp」にて、商品の重量と個数を商品単位で判定できる条件設定が可能になりました。これまで総重量やカート内の合計個数でしか条件分岐できなかった部分が、より柔軟かつ商品特性に合わせた細分化が可能になります。
※この新機能はアドバンスドプラン限定で利用可能です。
想定される活用シーン
以下のようなシーンで活用が可能です。
■商品の性質に合わせた配送料金設定
これまでは「総重量」でしか送料の切り分けができなかったため、軽い商品と重い商品が混在している場合に送料計算が公平にできないことがありました。しかし、今回のアップデートで個々の商品ごとに重量条件を設定できるようになったため、例えば「単品で10kgを超える大型商品には追加料金を設定する」といった現実的な運用ができます。
■商品単位の個数で送料をコントロール
これまで「カート内合計の個数」でしか送料設定ができなかった部分ですが、商品ごとの数量条件で分岐できます。例えば「同じ商品を3個以上注文すると、特別梱包料を加算する」や「特定商品が単品で複数点購入された場合のみ、割引送料を適用する」など、より戦略的な送料設計に使用しましょう。
■タグとの組み合わせでさらに自由度アップ
「商品の重量」「商品の個数」だけでなく、「商品タグ」と組み合わせることで、カテゴリ別の特定条件を柔軟に設定できます。「冷凍食品タグかつ重量5kg以上かつ2個以上購入時にクール便料金を追加する」など、業種特有の物流要件に沿った詳細設定が可能です。
5. 【配送日時指定.amp】モジュール内ラベルの編集対応(2025年4月4日公開)
概要
Shopifyアプリ「配送日時指定.amp」にて、管理画面上の文言ラベルが新たに5項目、任意に編集できるようになりました。
想定される活用シーン
以下のようなシーンで活用が可能です。
■グローバル規模のストアにおける自然な翻訳・地域別の対応
海外向けに展開するストアも数多くあるかと思います。例えば、英語・中国語・韓国語などといった複数言語に対応する際に、ただ翻訳するだけでなく、現地ユーザーの文化や表現に合った自然な文言調整が可能になります。
例を挙げると日本語で「カートに入れる」を英語圏では「Add to Bag」にすることなどです。機械翻訳を使用すると不自然になる場合もありますが、本アプリでは自然に日本語を現地ユーザーの言葉に変換し、スムーズにショッピングを進められるようになります。
■ブランドの世界観に合わせた文言・トンマナ調整が可能
ブランドイメージに合った語彙や語尾を使い分けることで、ストアの雰囲気を壊さず一貫性を保ち、ユーザーの認識に強く印象付けることができます。
例えば、ラグジュアリー系ブランドでは「商品をカートに追加」よりも「このアイテムを選ぶ」がふさわしいこともあるのです。また、フォーマル/カジュアルの調整や、敬語・タメ語の使い分けも行ってみると良いでしょう。
■業種ごとのニーズに応じた文言カスタマイズが可能
業種・業界により扱う商材によって、顧客が求める情報や表現は異なります。例えば業界ごとに説明すると、以下のような表現が考えられます。
- 食品ECなら「お届け希望日時」「賞味期限に関するご案内」
- アパレルECなら「ご試着希望日」「サイズガイドを見る」
- 家具ECなら「組み立てサービスの有無」など
こうした業種特有のニーズに合わせて、UI上の文言を最適化することで、ユーザーの離脱防止や購入率向上につながるでしょう。
このように、従来の標準文言では対応が難しかったケースにも、アップデートにおいて柔軟に対応できるようになりました。
6. 【配送日時指定.amp】追跡番号アップロード機能の処理速度向上(2025年5月21日・22日)
概要
Shopifyアプリ「配送日時指定.amp」にて、大量の追跡番号を一括でアップロード・通知する際の処理速度と安定性が向上しました。特に数百件〜数千件単位の配送処理を日常的に行う中〜大規模ストアにおいて、業務効率の大幅な改善が見込まれます。
なお、環境によっては今回の機能改善に伴いアプリの再起動やアップデートが必要になる場合があります。
想定される活用シーン
■セールや大型キャンペーン時の出荷ピーク対応
注文が集中するセール期間中でも、追跡番号の一括登録と通知をスムーズに行えることで、配送処理のボトルネックを回避できます。
大型キャンペーンでは数百件〜数千件の注文処理が一気に発生し、出荷作業だけでなく、追跡情報のアップロードにも時間がかかっていました。このタイムラグが顧客の不安や問い合わせの増加につながることも少なくありません。
セール時の配送対応をシステム面から支えるこの改善は、業務の効率化だけでなく、ユーザーの信頼獲得にも大きく貢献します。
■物流拠点の自動化支援ツールとの連携環境下での安定運用
外部のWMSや出荷自動化システムと連携している場合でも、処理遅延やエラーの発生を防ぎ、安定的な運用を実現できます。一括データ処理に対応していない場合、WMSとShopify間で連携エラーや未通知のトラブルが発生しやすく、現場の手戻りが増えてしまいます。
システム間連携を前提とした運用体制でも、安定的な処理を保証する今回のアップデートは、EC運営の“土台強化”とも言える機能改善です。
■CS対応の迅速化(「まだ届いていない」に対する自動通知で対応コストを軽減)
追跡番号の即時通知が可能になったことで、配送に関する問い合わせの抑制や、CS対応の効率化が期待されます。
商品出荷後すぐに追跡情報が通知され、「配送中:〇月〇日お届け予定」という案内を受け取ったことで、ユーザーが安心して到着を待てるようになった結果、メールやチャットでの問合せ件数が大幅に減少したという例もあります。
CSの問い合わせ削減と顧客満足度の向上を同時に実現できるこの改善は、特に少人数で運営しているD2Cブランドなどにとって大きな武器となるでしょう。
7.【配送日時指定.amp】「任意フォーマットでの追跡番号をアップロード&日本郵便の追跡番号を通知可能に
概要
Shopifyアプリ「配送日時指定.amp」にて、管理画面上で設定する「配送希望日」の入力が必須にできる機能が新たに追加されました。
ユーザーがカート画面で配送希望日時を入力しないまま購入手続きを進めることを防げるようになり、ストア側での出荷ミスや、配送の負担を大幅に軽減できます。
想定される活用シーン
以下のようなシーンで活用が可能です。
■食品や生鮮品など日時指定が不可欠な商品に
食品や冷蔵・冷凍商品を取り扱うストアでは、確実にお客様が在宅している時間帯に商品を届ける必要があります。そこで入力必須化機能を使えば、購入者が配送希望日時を未入力のまま注文してしまうことを防ぎ、出荷後の配送日時調整によるトラブルや再配達コストを抑えられます。
■季節ギフト・イベント向け商品の確実な配送に
お中元やクリスマスギフト、母の日・父の日ギフトなど、贈答品の需要が高まる季節には、「必ずこの日に届けてほしい」というニーズが高まります。入力必須化を設定することによって希望日時の漏れを防ぎ、お届け先での万一の受け取りミスや「届くタイミングがずれた」という不測の事態を最小限にできます。
まとめ
2025年上半期に実施された一連のアップデートは、and.dのShopifyアプリをより柔軟かつ実務的に活用できるよう設計されています。配送料金の複合条件設定やノベルティの自動追加、配送モジュールのデザイン最適化に至るまで、業種・商材・ブランドごとのニーズにきめ細かく応える内容となっています。
今後もand.dは、現場の声をもとに継続的な改善を行い、ストア運営者にとって「本当に使える」Shopifyアプリの開発に努めてまいります。本記事を通じて、アップデートの意図と活用方法を正しくご理解いただき、貴社のストア運営にぜひお役立てください。